オリバー・ストーン監督は、日本は政治的に「声を上げ、力を使う」べきと語る
(Director Oliver Stone Says Japan Should ‘Speak Out and Use Its Muscle’ Politically)


ブライアン・コバート
記者


大阪 ——『プラトーン』の映画監督、オリバー・ストーンは、日本は増大する米軍駐留問題の対処や、ソビエト連邦との開かれた貿易の育成のために自国の世界経済への影響力を行使するべきだと語った。

「日本は声を上げて、冷戦を抑えるために自国の力を使ってほしい。そして、これまでの30年間のように、他国に威張り散らすことは出来ないのだと、アメリカに気づかせてほしい」と水曜日にジャパンタイムズのインタビューで述べた。

ストーンが監督を務めた『プラトーン』は自身のベトナム戦争での体験を元に描かれた1986年の映画で、彼はこの作品でアカデミー賞を受賞している。彼は、大国に板挟みにされている経済大国のロールモデルとして日本を批判すると同時に賞賛もしている。

「残念なことに、日本は自国の政治的な立場を全く明らかにしていない。」と彼は言った。「日本は米ソの対立に対して、何も言わず、何もせず、いかなる代替案も示していない。」

しかしながら、このアジアの国の強みは経済的な変化を通して世界平和を実現する可能性を秘めているということだ、とストーンは語った。 

「少なくとも日本の繁栄は新たな市場を渇望している。それが唯一の希望だ。」このことが、他の発展途上国に安定を与えつつ、ソ連や中国といった閉鎖された社会を最終的に開くことに役立つかもしれない、と彼は言った。

「日本がもたらしたような経済的民主主義は確かに有益なものだ。」

抑制者としての米国

映画脚本家としても『ミッドナイト・エクスプレス』や『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』などの作品も手掛けているストーンは、水曜日に大阪国際交流センター主催の文化シンポジウムでゲストスピーカーを務めた。

ストーンは、ロナルド・レーガン大統領の中米・中東の軍事政策が別の種類のベトナム戦争につながるかもしれない、と述べた。彼はベトナム戦争で海兵隊として戦った。

「20世紀に生まれた不幸な冷戦政策のせいで、そのような新たな戦争が起こる事態が避けられないと思う」と彼は言った。「我々米国の利益は本質的に帝国主義国的なものなのだ。」

唯一、前回と違う点は、大きな戦争に対する米国民の支持はもう得られないだろうということだ、と彼は言った。

「米国民はもう血を流したくないと思っている」とストーンは述べた。

より巧妙な「戦略防衛構想」が今後のあらゆる紛争の基礎となっていくだろう、と彼は予測した。

突破口?

最近の米ソ間の軍縮協議は良い兆候である、とストーンは言う。

彼は、ソ連のミハイル・ゴルバチョフの「グラスノスチ」(情報公開)政策がこのような交渉の舞台を実現させたと語った。

「確かに、ゴルバチョフが政権を取っていなかったら、ここまでの展開はなかっただろう。」「私は彼を支持する」とストーンは言った。

「米国の右翼(党派)はこのような展開を明らかに見せ掛けだとみており、彼らはソビエト連邦と共産主義体制を完全に消滅させることでしか満足できないだろう。」「彼ら(右派)は世界で最も危険な人々だ」と彼は述べた。

ストーン版の米国資本主義システム―映画制作費1500万ドルの『ウォール街』―が12月に公開予定である。この映画は『プラトーン』で主役を演じたチャーリー・シーンが再び出演している。

ストーンは『プラトーン』の大ヒットは米国民がこの映画の内容を受け入れたことによるものだと考えている。

「そう遠くない昔、ベトナム戦争があったということを、記憶の彼方に消え失せてしまう前に人々は思い出しておく必要があると、私は思う。」