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現われし息子、眠りし母
『LifeTimes』
2009年
『LifeTimes』
2009年
顧みれば、過ぎ去った2008年は様々な意味で記惊に残る年だった。私個人としては、一つの時代の始まりと別の時代の終焉を告げる、二つのニュースが忘れられない。どちらもアフリカ系の人に関するものであり、真に国際的な広がりをもつニュースであった。一つ目のニュースは画期的な出来事と受け取られ、どの国のメディアでも取上げられた。もう一つのニュースは、一つ目に比べほとんど重要視されず、報道されたとしても非常に小さな扱いだった。しかし、この二つ目のニュースなしでは一つ目のニュースはあり得なかったと私は思うのだ。
お分かりの通り、一つ目のニュースはバラク・オバマがアメリカ合衆国の大統領に選ばれたことである。オバマは今月アフリカ系アメリカ人として初めて大統領に就任する。オバマは世界が経済と環境の両面で崖っぶちに立っている時代に大統領の任に就く。しかし、世界中がオバマ ―― そしてアメリカ合衆国という国を注視している ―― 果たして、私たちは皆、ここからどこへ向かおうとしているのか。まさに今、歴史は重大な時を迎えているのだ。
アフリカ系アメリカ人の作家でありフエミニストであるアリス・ウォーカーは、最近のインタビューの中で、極めてユニータな視点からオバマの大統領就任について発言している。ご存知の方もおられるだろうが、ホワイトハウスの建設は、元々アフリカ大陸から鎖につながれて連れてこられたアフリカ人の労働力を使って1792年に着工された。ウォーカーの言によると、ホワイトハウスを建設したアフリカ人の先祖は、当時の白人の大統領のためにではなく、将来の黒人の大統領のために身を粉にして働いたのだ。
(つづく・・・)
お分かりの通り、一つ目のニュースはバラク・オバマがアメリカ合衆国の大統領に選ばれたことである。オバマは今月アフリカ系アメリカ人として初めて大統領に就任する。オバマは世界が経済と環境の両面で崖っぶちに立っている時代に大統領の任に就く。しかし、世界中がオバマ ―― そしてアメリカ合衆国という国を注視している ―― 果たして、私たちは皆、ここからどこへ向かおうとしているのか。まさに今、歴史は重大な時を迎えているのだ。
アフリカ系アメリカ人の作家でありフエミニストであるアリス・ウォーカーは、最近のインタビューの中で、極めてユニータな視点からオバマの大統領就任について発言している。ご存知の方もおられるだろうが、ホワイトハウスの建設は、元々アフリカ大陸から鎖につながれて連れてこられたアフリカ人の労働力を使って1792年に着工された。ウォーカーの言によると、ホワイトハウスを建設したアフリカ人の先祖は、当時の白人の大統領のためにではなく、将来の黒人の大統領のために身を粉にして働いたのだ。
(つづく・・・)
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