土井氏 反PKO感情を反映させる決意
(Doi Determined to Tap into Anti-PKO Sentiment)


ブライアン・コバート
記者

兵庫県西宮市 —— 歯に衣着せぬ政治家で知られる土井たか子は、最近可決されたPKO(国連平和維持活動)法案に対する国民の意見を来月の国政選挙で反映させるためには何でもすると誓っている。

土井はこの選挙区の衆議院議員で、元日本社会党党首である。彼女は今回の選挙で与党自民党に対する最大の脅威となるかもしれない。

「国民はますますPKO法案に反対しています。」と、土井は毎日デイリーニューズの独占インタビューで述べた。

「世論がこの法案の賛成にくつがえるとは考えられません。私は今回の選挙で国民が反対しているのだということをはっきりさせてみせます。」

参議院252議席の半数が改選されるが、その勝敗はまだ分からない。自民党が支持する自衛隊海外派遣を承認する法案が間違いなく今回の選挙の争点になるだろう。

土井は支持者から「おたかさん」と呼ばれ、1989~1990年の自民党に打撃を与えた選挙での日本社会党の指導者として知られている。この選挙で自民党は1955年に政権に就いて以来、初めて参議院の過半数を割った。

1991年7月、土井は日本社会党の党首から引退した。日本社会党はこれまでの強硬な社会主義思想を和らげており、この点を草の根層の支持者の多くが非難している。そしてまた、日本社会党は重要な問題でも自民党と妥協しようとしている。

彼女は日本社会党の表舞台から退きはしたが、国民にとってはこれまで通りカリスマ的存在であり、依然として人気が高い。これは彼女が社交的な性格であり、既成勢力に対してははっきりと物を言う人物であるということに加え、おそらく熱心な阪神タイガースファンであることも一因かもしれない、という政治評論家たちもいる。関西人にはタイガースファンが多いからである。

しかし、土井自身はもっと単純な理由を挙げている。

「政治家には国民に聞かれたくない、知られたくないことがあまりにも多すぎます。」と、神戸出身の63歳になる土井は述べた。「しかし、私は隠し事をせずに話しますし、もし知らないことを聞かれたら、調べて後でお答えします、と答えます。恐らく、そういうところが共感を呼ぶのかもしれません。」

もし首相になったら、政治の何を変えたいのかと聞かれ、彼女は、政治に対する国民の信頼を取り戻すことが最優先になるだろうと、躊躇なく答えた。

しかし、彼女の直近の最大の関心事は7月の選挙である。毎日新聞の最近の世論調査によれば、PKOや予定されているカンボジアへの自衛隊の派遣に対する国民の反対は昨年の9月以来、2倍以上に増えている。

土井はそのような民意を選挙に反映させたいと考えている。つまりPKO法案を性急に可決させた自民党を有権者が拒否していると伝えたいのだ。他の場合では政治に無関心な有権者であっても国際社会において日本が新たな軍事的役割を担うことに対して明確な反対のメッセージを送ってくれると、彼女は信じている。

「この法案は民主主義のルールに反して可決されたのです。」と土井は言う。「それは異常なことです。だからこそ次の選挙は本当に必要なのです。我々は国民の審判を仰がなければならないのです。」